宇宙には地球と同じような星がいくつもある。環境の違いから地球人類とは形態が違うだろうけれど、生命が存在していることは分かっている。そしてその中でも、地球人類の進化レベルの低さは下から数えて二番目だと分かってがっかりした。しかし少しずつではあるが確実に進化していることは歴史が証明している。
私は心霊学を学びながら、地球人類に転機が訪れて飛躍的に進化する時がくるのではないかと思っていた。最初で最後の小説「a hudred years after」でもそのような考えを元にしているのだが、地球という星を舞台として繰り広げられるこの世という三次元世界の存在理由を考えると、そんなに急激な進化を促すような事件は起きないのかもしれない。
というのも、同じレベルの魂で世界を作っているあの世と違って、この世では、若い未熟な魂と成熟した老成した魂が同じ舞台の上で、互いの役目を演じながら全体の進化に貢献するという仕組みになっているので、地球が外部要因を受けて急激に進化してしまったら、レベルの低い魂の修行のための場としては相応しくないものとなってしまうだろう。嫌なこと、苦しいことが起きるのはレベルが低いためではあるが、そういった困難を乗り越えることで魂は鍛えられ成長していくのだ。地球から苦難がなくなり、まるで天国のようになったら地球の存在理由がなくなってしまう。
まだ、もう一段低い星があるにはあるようだし、地球がそれなりに進化すれば宇宙のどこかにさらにレベルの低い人類が棲息する星が誕生するのかもしれない。光だけでなく闇もまた必要なのだ。たかだか百年も生きられない私たちが大霊の無限大の計画を推し量ることはとても出来ないが、分かっているのは永遠の時間のなかでゆっくりではあるが宇宙全体もまた進化していることである。決して後退することはない。その進化を支えているのは、豆粒より小さい一人一人の日々の努力なのである。気の遠くなるような話。