ひとりごと、ぶつぶつ

天皇のロザリオ

久しぶりに読み応えのする本にめぐり合えて興奮を抑えきれない。鬼塚英昭著「天皇のロザリオ」成甲書房、である。上下刊あってまだ上刊さえ全部読みきっていなのに、こうして報告するのは、私が今まで何故なのか、どうしてそうなのか長い間疑問に思ってきた第二次世界大戦における天皇の責任問題と東京裁判で裁かれた東條英機を筆頭とするA級戦犯の問題に一つの回答を与えてくれているように思えるからである。

何故誰も真実を書かなかったのか、今はそれも分かる。著者は大分で家業の竹細工業を営みながら郷土史家として歴史書などを書いてきた人である。ゆえに、プロの述べてきた権力に阿るようなところは微塵もない。私は右翼も嫌いだし、左巻きも嫌いだ。私はただ、本当はどうなっているのかが、この世についても、あの世についも知りたいと願って生きてきた。今まで誰も語ってくれなかった戦後のどさくさの中の真実をこの本にかいま見た気がした。

昨今、靖国参拝に関する天皇の個人的な気持ちが書かれたとする文章が見つかったことで、各新聞も取り上げているが、論評をする前にまず、この本を読んからにして欲しいと思ったぐらいである。この本を読めば、下地にあるものが分かって、あの記事などすっ飛んでしまうほどである。これは全国民が心して読むべき本である。戦後の日本がこうなってしまった経緯が何もかも分かる。

書き出しは、一度中断されていた天皇の地方巡幸が再開されて、九州地方のあるキリスト教系愛児園を天皇が訪れたときの、ほんの些細な小さな出来事を事件と捉えるか、で始まる。日本をキリスト教化しようとする勢力の罠に落ちる寸前の天皇を、側にいた者の咄嗟の機転で免れるような出来事である。正直、ああ、私は良かった、と思った。しかし、読み進むうちに著者は、キリスト教を舞台回しに使って、戦後の日本がもっと深い闇に沈んでいく過程を書いているのだと気付いた。今の日本の原点は、戦後の昭和天皇の取った言動そのものにあったことに気ついた。

過去のページを紐解くことはできないが、たとえ連合国が免責しても天皇は自ら責任を取るべきだったと思う。退位するばかりではなく、切腹するべきだったのではないだろうか。腹を切って自分の首を差し出すことによって、以下全員の命を助けるというのが敗軍の将の作法ではないのか。私は自殺はしてはいけないと終始主張してきたが、自殺と切腹は違う。天皇は財産を隠し、敵に命乞いをしてまで生きながらえたかったのだろうか。部下に責任の所在をなすりつけてまで生きる主君をいただいたことで、この国は死んだような気がする。天皇陛下万歳が空しく悲しく響く。

この本について書かれたサイトが他にもあったので紹介しておこう。こちらからどうぞ。
天皇のロザリオ_b0034892_12364416.jpg

by 892sun | 2006-07-22 12:36
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この世の仕組み、本当の生き方はもう分かりましたか?地球は次元が変わります。準備は整っていますか?心霊研究家のつぶやきに耳を傾けてください。

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