ひとりごと、ぶつぶつ

時間の挟間を漂って。

麻酔などは、長くても24時間ぐらいで切れてしまうものですが、今回の手術で72時間も意識が戻らなかったのは、前回よりかなり危険な箇所を切っているからというより、多分、想像にすぎませんが、私が肉体に戻ることを嫌がったのではないかと考えています。「もう、あんな辛い世界には戻りたくないよう。」と駄々をこねる私に、「いいや、あなたは戻らなくてはいけない。あなたにはまだ成すべきことが残っている。」と説得する背後の皆さん。それでも嫌がる私に対して、「ほら、聞いてごらん。あんなにも多くの方々があなたのために祈ってくれているのだよ。あの祈りに応えてあげなさい。」というようなやりとりが延々と繰り返された挙句の結果かどうか、定かではありませんが、こんなにも長く意識が戻らなかったのには、少なくともこんな理由があると思ったほうが合点がいきます。

今回、大動脈瑠があったのは、心臓から上方に向って伸び、逆U字型に降りる曲がった部分で、ここからは脳に向って2本の頚動脈も出ています。したがってこの部分を人工のものに入れ替えるには、頚動脈も切断しなくてはなりません。頚動脈を切断しているあいだは、別の循環器を使って脳の血流を動かしておかねばならず、体全体は体温を20度前後まで下げて手術が行われました。説明を受けたとき、こんなことが可能なのか、自分自身が納得するのに、骨が折れたくらいですから、3日間意識が戻らなかったのは、単なる医学的結果だったといえるかもしれません。

苦しいのは、意識が戻ってからです。人工呼吸器をつけていますから、話すことはもちろん、ほとんど体を自分では動かせません。ナースコールのボタンを押して看護士を呼んで、指で文字を書いて意志を伝えます。意識が戻ったことを知った看護士が私に伝えたことは、今日は9月30日ですとベッドの横のカレンダーを指差してくれました。ぼんやりとした頭で、確か前回は1日で意識が戻ったことを思い出し、もしかして、この手術は失敗したのではと思いました。

何も出来ないときほど思考だけが働きます。原因と結果の法則、そのときのの状態から推し量れば過去が見えてきます。いつの時代か分かりませんが、世直しを大義名分にして剣の力に若い血潮をたぎらせたのでしょう。何人かの人に斬り付けて思いを遂げようとしたのでしょうが、力で世の中を変えることはできません。いつの時代にも人を傷つければ罪人です。明るい太陽の下では生活できないような人間に落ちぶれて悔いの多い人生だったでしょうね。

昭和18年、太平洋戦争中、産めよ殖やせよの掛け声に応えて、名も知れぬ貧しい農家の末っ子として私は生まれました。大自然に囲まれた、およそ政治的風土とは関係のないような環境で少年時代を過ごしたのですが、そのままその土地での平穏な人生を選ばなかった。上京してからは波乱万丈を絵に描いたような人生で、回顧録でも書けば、きっと面白いに違いないが、これ以上恥を晒すことはできません。

人生とは地図のない土地を彷徨うようなもので、失敗を繰り返しながら、それでも40歳を過ぎたころ、一冊の本と出合う。その本には、私が今まで抱いてきた疑問の答えが全て書かれていた。それから、私は変わったと思う。全く別人のようになったのだから、女房が呆れて出ていったのもごく当たり前のことだったかも知れない。世直しなんて考えて馬鹿だったね。相手を変えるんじゃなくて自分が変われば相手も変わる。イデオロギーじゃなくて一人一人の意識の向上が世界を変えることにやっと気がつきました。ここにたどり着くまで長い、長い時間がかかりました。

覚醒とか、意識の向上とかは決して他人から教わって理解するものではありません。壁にぶつかったり、傷ついたり泥だらけになりながら、自分の力で手にするものですから、苦労の多い人生のほうが機会が多いのです。確かに自らの中に神の種子が眠っていることに気がつき、水をやり育て始めることが意識の目覚めなのです。そういった人々が一人、また一人と増えていくことで、世界は変わる。地球もアセンションするのでしょう。時間はかかるでしょうね。でも時間は無限にありますから、焦ることはない。ゆっくり、ゆっくりでいい。あなたも私も永遠の存在だからです。
by 892sun | 2006-10-21 12:18
<< かいま見たもの。 退院できました。皆さん、有難う... >>



この世の仕組み、本当の生き方はもう分かりましたか?地球は次元が変わります。準備は整っていますか?心霊研究家のつぶやきに耳を傾けてください。

by 892sun
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