一昨日は政治家の資質について書きました。政治家というのは我々が選んだわけだから、悪い政治が行われれば、それは選んだ国民のせいだとも言えますが、司法に携わる人たちというのは、選ばれたわけではなくて、本人がその世界をめざした努力の結果が報いられた地位ということで、当然のことながら法を守る立場に立つ人間自らが、法の網をくぐったり、裏をかいたりして欲望を満たすなどということは想定されていない。司法に拘わる人たちは、私たち一般の人間以上に法を知るが故に、法を守る意識が高くなくてはならないはずなのに、どうもその常識が覆されるような事件が続く。
その一つが朝鮮総連の建物に絡む詐欺事件である。元国家公安調査庁長官で弁護士として活動してきた人物が、自らが詐欺罪で逮捕された。法律の専門家であるから、何をどうすれば罪となるかは知り尽くしているはずなのに、金に目が眩んだのか、自らの経歴に自惚れたか、それまでの輝かしい履歴を泥まみれに書き換えてしまった。愚かというより他はない。
もう一つは、光市で起きた母子殺害事件で当時少年であった犯人に弁護をかってでた21人もの弁護士たちのことである。この弁護団には法律というのは何のためにあるのかという、真に基本的なことすら理解せずに、この裁判に加わることで自らの履歴に、この大事件に拘わったという勲章が欲しいとしか思えない。社会正義のためではなく、自分の売名欲だけのことである。法律などとは日ごろ無縁の私にさえ、犯した罪の大きさは分かる。このような人たちが、この国の司法界にいて法律を持て遊んでいるのかと思うと、恐ろしい。世の中が腐ってきていることは身近にも感じられる今日この頃だけれど、司法界まで腐り始めていたとはね。