50年ローン
住宅金融支援機構は、高品質で数世代にわたり住める「二百年住宅」(長期優良住宅)を対象にした、返済期間が最長50年の固定金利型住宅ローン「フラット50」を6月上旬から発売する。一般より価格が二割程度高い二百年住宅の普及を促す目的。景気悪化で落ち込んでいる住宅売買を下支えする効果も期待される。フラット50の返済期間は36年以上50年以下で、耐震、耐久性やバリアフリー機能などが国の一定水準を満たす、長期優良住宅を購入する個人が融資対象。利用者は満80歳までに完済するか、親子二代で返す。
というニュースが、昨日の東京新聞に書かれていた。景気浮揚のための方策とはいえ、こんな長いローンを組んでまで家を持ちたい人は、自分の人生をどのように計画しているのだろうか、ということに興味を感じた。今のように変化の激しい時代に、50年か、親子二代に渡って同じぐらいの収入を確保できる仕事って、あるのだろうか?たとえ国家公務員(官僚)のようなものでも、50年間同じような条件は無理だろう。 私は不動産などというものに、全く関心も執着もないので、一時結婚していた時に、カミさんに押し切られてローンを組んだことはあるが、上京以来ずっと賃貸し住宅住まいである。男と生まれたからには家の一軒も持てないようでは甲斐性がないという方に言わせれば、賃料を払うのもローンを払うのも一緒だと言う。しかし、何があっても自由自在な対応力と何物にも縛られたくない私としては、何十年か、支払いをするというような契約をすること自体が嫌いなのである。 アメリカのサブプライム・ローン破綻の話を読んでいると、どうもアメリカと日本では住宅ローン契約もずいぶん違うようである。アメリカの場合は、職場を解雇などされて、支払いが出来なくなれば、その住宅を放棄して明け渡せば、残りのローンの支払いはしなくていいらしい。これなら50年だろうと100年だろうと賃貸しと同じだからいいが、日本のローンの場合はちょっと違うのだ。 例えば、5000万の新築物件を30年ローンで契約したとしよう。すると、30年間の利息がつくから全体の負債は約1億ほどになる。それで、5年ほど住んだ後、支払いが出来なくなって残債を整理しようとすると、右肩上がりの不動産バブルで値上がりしていた時代と違って、中古住宅は5000万では売れないから、値下がりした部分と利息が重なって(ローンの支払いは最初は利息ばかりで元金の支払いが極端に少ない)結局は大きな負債だけが残ってしまう。悲劇以外のなにものでもない。こんな日本のローン・システムでも50年ローンを組もうという馬鹿がいるのだろうか。 こんな意見もある。読んでみてください。株式日記から転載 .持ち家政策は人間を猛獣化する。自分の城を守るためにライオンと化して、自分の城のためならば、周りの人間をどんな手段で蹴落とす。 もう一つ問題にしたいのは、土地のこと。だいたい土地ってものの所有権を主張するから昔から戦争が起きてきた。領土争いだね。日本でも未だに北方領土だとか尖閣諸島だとかで、揉めている。地球儀の上に勝手に線を引いて争っている。愚かなことだ。地球は人間のものじゃない。誰のものでもない。短い人生の間、ちょっと借りて、住まわせて貰ってるだけじゃないか。もっと謙虚にならなくちゃね。個人所有などということを許しておくから、争いの種にもなるし、昨日の水資源の問題が起きる原因ともなる。 男と生まれたからには、家だ、土地だ、車だとかいうような、あの世に持っていけないようなものを求めるな。人一倍厳しい環境に身を置いて、男を磨け。精神を鍛えよ。地獄の底を見てきた男ほど優しくなれることを知れ。
by 892sun
| 2009-05-25 15:30
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