ひとりごと、ぶつぶつ

小さな新聞記事から

昨日の東京新聞の片隅に載った小さな二つの記事に目が止まった。一面のトップ記事は静岡県の知事選で、自公推薦候補が僅差で破れ、民主、社民、国民新党が推した学者が当選したことを伝えている。国民の意識が確実に変化していることを感じる。自公の言うなりに、戦争中毒のアメリカに従属していては、いつまでたってもこの国は変わらないと危機感を持つ人が増えているのだが、それとは別に、これらの小さな記事が日本人として大切に持ち続けなくてはいけないことが何かを教えてくれる。

一つは元アメリカの海兵隊員のアレン・ネルソンさんが、今年三月に亡くなったのだが、その遺骨が石川県加賀市の浄土真宗寺院こうせん坊に納められたという記事である。生前同寺の住職と交流し、最期は仏教徒として命を閉じたネルソンさんは、18歳で海兵隊に志願入隊し、13ヶ月ベトナムで戦った。敵だけでなく、女性や子供、老人を殺戮し、略奪、強姦、放火を繰り返し、自身も数百人のベトナム人を殺した。

除隊後、頭からは殺したベトナム人の顔、親を殺された子供たちの泣き叫ぶ声が離れない。夜中に跳び起き、目は野獣のように血走る。奇行が続き、家族から追い出されホームレスになった。PTSDに罹っており、18年かけて治療して回復した後、日本を訪れ日本憲法第9条の条文を見て、衝撃を受けた。「ガンジーやキング牧師が日本に与えたのかと思った。アメリカこそ、こんな憲法が必要だ」「60年以上、世界中の誰もが日本軍から爆弾を落とされていないし、誰も殺されていない。日本の子供たちが戦争を知らないことは素晴らしい。9条の持つ力で、世界の宝だ」

ネルソンさんは、1996年から2008年まで800回を越す講演会をこなして、9条の尊さ、平和の大切さを訴えた。集会では「中国や北朝鮮などが軍備を増強している。9条など時代遅れだ」と批判する者も少なくなかった。そんな時、ネルソンさんはいつも静かにこういったという。「平和は国や国連で作るものではない。私たちがいるこの場所から作るものだ。対話をしよう。友達になったら人は殺せない」「一度でも9条を失ったら、二度と戻せない。奇跡的なことなんだ」

もう一つの記事は、来日中のイラン国会のボルジェルディ国家安全保障・外交委員長が5日、広島市の平和記念公園を訪れ、原爆資料館や原爆ドームを視察して「米国は広島、長崎に原爆を投下したことを謝罪するべきだ」と感想を述べたことである。国重副館長の案内で約1時間かけて資料館を視察、原爆投下の前と後の広島市街の模型を興味深く見比べていた。その後、原爆慰霊碑に花をささげた。ボルジェルディ氏は「被害は想像以上だった。広島市長が平和市長会議で提唱する2020年までの核兵器廃絶は、私たちも同じ気持ちだ」と語った、とある。

いかなる理由があろうと、核爆弾は非人道的兵器であり、それを使ったアメリカには謝罪を要求する権利がありながら、日本政府はその素振りも見せない。せめてオバマ大統領を広島、長崎に招いて核戦争がいかなる結果を招くものであるのかをじっくり見てもらう必要を感じるのは私だけではあるまい。是非オバマ大統領に来日要請をしてもらいたい。9条はアメリカから与えられたものであっても、それを守り続けてきたのは私たちであり、奇跡的なことだと外部から言われているようでは情けないのである。これからは日本だけではなく、この精神を世界中に広げていかなくては、いけない。
by 892sun | 2009-07-07 11:13
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