拘りを捨てる
「黎明」上下巻、このあいだやっと読み終えました。内容が濃いので、他の心霊研究書のように、すらすら進むことが出来なくて、読んでは読み返し、心の中で反芻しながらでしたから、時間がかかりました。この本の中で一貫して流れているのは、普遍意識という誰もが内在しながら認識出来ないでいる魂の本質です。私たちはどうやらこの意識に目覚めるために、この物質世界に修業に来ているようですが、この分離の世界は普遍意識である絶対意識とは対極にあるために、なかなか自分と他人を同じように見ることが出来ません。
人間以外の生命には個というものはなく、霊的進化が進んで、やっと人間としてこの世の生を受けた時にパーソナリティーを得るのですが、パーソナリティーという言葉がペルソナ(仮面)から来ているように、一つの人生で付ける仮の姿でもあります。仮の姿で、五つの小さな窓のある肉体から現象世界を見て、それが実在だと信じているのです。まったく矛盾していていますが、未熟な私たちが、霊的な進化を達成するには、このような世界の存在が必要だから存在しているのでしょう。 聖書にある「放蕩息子の例え」のように、絶対意識の世界からいったん離れて、相対意識の世界で暮らすことが必然であるとしても、再び絶対意識に目覚めることが進化の方向であるのなら、肉体を持ったまま、相対世界で目覚めることも可能であるはずで、これを実現した人は少なくありません。聖者、覚者と呼ばれる人たちですが、宮沢賢治なども、その発言から絶対意識に目覚めた人だったといえます。グルジェフも、「人は皆立ったまま、眠っている」と言っていますので、目覚めていたのでしょう。 宮沢賢治「世界が全体幸福にならないうちは、個人の幸福は有得ない。自我の意識は個人から集団、社会、宇宙と次第に進化する。新たな時代は、世界が一の意識に成り、生物と成る方向にある。」(黎明より引用) 奴隷制度があったアメリカでもオバマさんが大統領になる時代になり、皮膚の色での人種差別は表向き少なくはなっていますが、世界から一向に貧困や紛争の火種がなくならないのは、人種間の偏見や差別がまだ残っているからです。自分の信じる宗教こそが唯一の正しい教えだと拘っているからです。絶対世界には宗教はないのです。日本でも白人には劣等感を持つくせに、中国人や韓国人、東南アジアの人たちには偏見が存在します。過去の行動に原因があると指摘する人もいますが、人は過ちを犯すものです。罪を憎んで人は憎まずということです。 人は一人一人が大霊という全体宇宙の体の細胞の一つ一つです。顔の細胞の一つであったり、指先の細胞の一つであったりして、それぞれ個性はありますが、隣同士の細胞や離れた部分の細胞と分離意識を持つでしょうか?一つ一つで全体が成り立っているのです。現象に惑わされて本質を忘れないようにしたいものです。拘りは捨てましょう。 ブログ・ランキングに登録しています。お読みになって、よかったと思われたら、バナーのクリックをお願い致します。
by 892sun
| 2009-11-15 14:03
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