「大東亜戦争の真実」読後感
ホリエモンの頭の中は自分のポータルサイトの売り上げを伸ばして、後塵を拝してきた楽天やソフトバンクと肩を並べたいということでしょう。出馬費用は広告宣伝費と思えば安いものですが、哀れなのは道具にされてしまう広島6区の住民です。国民をこれほど馬鹿にしてもいいものでしょうか。
さて、東條英機宣誓供述書についての感想を述べます。これは戦時期、内閣総理大臣であった東條英機が東京裁判にあたり、開戦前の日本を取り巻く状況や三国同盟の経緯について述べた後、開戦に至る経緯、戦時中の捕虜の扱い、大東亜政策についての日本の考え方などを詳細に述べたものです。 開戦時、内閣総理大臣という最高責任者であり、開戦を決めたのは自分であり、天皇には全く責任はないこと。この戦争は侵略のためではなく、防衛のためであったと述べています。しかし、当時日本は満州に進出していて、これを既定化していましたから、大陸ではこれに対するレジスタンスがあり、これを日華事変というのですが、英米はこれを支援し大陸からの撤退を主張していました。 日本側としては石油などを始め経済封鎖をされて、そのままでも飢え死、戦えば負けることが分かっていましたから、第二次、第三次と近衛内閣改造して最終的には東條内閣を組閣して日米交渉を希望するのですが、英米はハルノートという最後通牒をつきつけて、(大陸からの前面撤退ですね)これが飲めなければ交渉には応じられないとしました。 背に腹は変えられずと、ここで前面撤退を選択していれば戦争にはならなかったのですね。欧米の植民地化していた東アジア全体を解放するといった大東亜共栄圏構想は素晴らしいものでしたが、もろに欧米との権益がぶつかるものですから、彼らは日本に手を引かせたかったのでしょう。中国の権益をめぐっては、その後田中角栄が失脚させられたのと同様、イエローモンキーがアジア中を走り回るのをアングロサクソンは許せなかったのです。自分たちは長いあいだ植民地政策や奴隷売買で原住民を苦しめたりしてきたのに、日本人が同じことをすると人権問題だといって騒ぐのは今も同じです。 こうした政府の動きはスパイやら暗号解読によって、すべて相手に知られていたにも拘わらず、短期決戦で相手の石油基地などが奪還できれば勝機はあると開戦していきます。一度手にした大陸での権益を手放すという発想は全くなかったのです。戦わずして手を引くということが出来なかったのでしょう。大局的見地からの発想が出来ませんでした。残念なことでした。 そして敗戦しました。被告たる東條は、「私は最後までこの戦争は自衛戦であり、現時承認せられたる国際法には違反せぬ戦争なりと主張します。敗戦の責任については当時の総理大臣たりし私の責任であります。天皇に責任はありません。責任は私にあります」 そして全ての罪をかぶって戦争犯罪人として裁かれました。天皇には一切のお咎めはありませんでした。何がどうあれ、天皇はその当時、国家元首であったはずです。国家元首がどうして裁かれなかったのでしょうか。裁かれなくても、その後どういうお気持ちで生きてこられたのでしょうか。このことについては誰も何も言いませんね。私にもわかりません。こんなことを書いたら戦前なら即逮捕でしょうね。ある面では良い世に中になったといえます。
by 892sun
| 2005-08-20 13:00
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