格差社会を助長する社会では自殺者の数は減ることはない。頭の中だけで思いついた概念を押し付けたことのツケが回ってきたことに、やっと気付いたアホソーリが「美しい国」というキャッチコピーをようやく引っ込めることにしたそうだ。では、私が代わりになるコピーを考えてあげよう。「欝、苦しい国」というのはどうかね。まあ、一番いいのは君自身が引っ込むことだとは思うが・・・。
安保晋三首相が政策の柱としてきた「美しい国づくり」を、事実上、封印した。先月の参院選以来、首相は「美しい国」を一度も口にしていない。この路線が国民に理解されなかったのが参院選敗因の一つだったとの反省から、軌道修正した。首相は国民生活に直結した政策を打ち出すことで再浮上をうかがうが、「美しい国」路線の転換は、政権を支えてきた保守層の安倍離れを誘発する可能性もある。
「美しい国」は(1)文化、伝統を大切にする国(2)自由な社会を基本とし規律を守る国(3)世界に尊敬される国-など、保守本格政権を目指す安倍路線のキーワードだった。昨年九月の所信表明演説では「美しい国創(づく)り内閣を組織した」など、計八回も「美しい国」を繰り返した。
首相はその実現に向け、集団的自衛権の行使を容認するための憲法解釈変更、憲法改正、教育再生といった政策を掲げてきた。しかし、これらは、国民生活に直結しないものが多いため、参院選では「生活が第一」を掲げた民主党に敗れた。
このため安倍政権は、「美しい国」路線は放棄はしないものの、前面に出すのはやめることにした。九月の臨時国会での所信表明演説でも、一、二回触れるだけにとどめる方針だ。「美しい国」と並ぶキーワードの「戦後レジーム(体制)からの脱却」も、極力使わないようにする。ただ、首相官邸の「美しい国づくり」プロジェクトには、国民から約三千のアイデアが寄せられており、生かせるものは政策として打ち出していく方針だ。(8月17日東京新聞)