ひとりごと、ぶつぶつ

2007年 11月 11日 ( 1 )

第20話 キャッツアイ

昔、中国の或る小さな村に長春という名の少年が住んでいました。長春は小さなときに両親を流行り病で亡くして、おじいさんに育てられました。おじいさんは囲碁がとても得意で、外の天気の具合が悪くて野良に出られない日は長春に碁を教えてくれました。その祖父も長春が十五になったころ、この世を去りました。

天涯孤独となった長春が、この小さな村で過ごすよりは、一度は都へ出て自分の力を試してみたいと思ったとしても無理からぬことです。祖父の喪が明けるのを待つようにして、長春は生まれた村を後にしました。

長春が村を出てしばらく行ったところで、道端に老女が倒れているのをみつけました。うずくまっているのを助け起こしてみると、なんと老女は盲目でした。倒れた拍子に杖を見失ってしまったのでしょう。長春は老女を背負うと彼女の家まで送っていきました。貧しいあばら家でしたが、まもなく戻った息子にはたいへん感謝されました。それで、その日はそこで泊めてもらうことにしました。

旅の疲れにすぐに眠りについた長春でしたが、夜中になにやらヒソヒソ話が聞こえてきます。耳を澄ませて聞いてみると、どうやら、暗闇の中で碁を打っているのでした。もちろん碁盤を中に碁石を打っているのではなく、親子の頭の中に碁盤も碁石も入っているのです。死んだおじいさんから習っていましたから、この親子の実力はすぐに分かりました。まったく知らない戦法が次々と繰り出される凄まじい戦いでした。長春はまんじりともせず朝を迎えました。

長春が別れの挨拶を言って立ち去ろうとしたとき、親子は「2度までも助けていただいて、なんの礼も出来ませんが、もし、これからの生活でお困りになったとき、お役立てください。」」と言って皮袋に入った石ころを手渡しました。2度も助けた覚えもなく、汚い石ころにしか見えなかった長春は、昨夜のこともあり一刻も早く旅立ちたいと思っていたので、その言葉を深く考えもせず再び旅の人となりました。

都へ着いた長春は働きながら、囲碁を学びめきめき腕を上げていきました。しかし、都というところは長春と同じように、志を胸に大勢の人間が集まるところです。並大抵の努力では願いは叶いません。長春も壁にぶつかり思い悩む日々が続いていました。そんな或る日、ふとあの日のことを思い出して汚い石を皮袋から取り出すと鑑定師のところへ持ち込んだのです。

汚い石ころは猫目石の原石でした。それも2度とお目にかかれないような上等で特大のキャッツアイだったのです。売れば一生遊んでも生活できるほどのものだ、ぜひ譲って欲しいと鑑定師は言いました。もちろん長春は売りませんでした。そして、あの日、あの親子が言った言葉の意味が分かりました。

長春は少年の頃、山菜取りに行った山中で、罠にかかった山猫を罠からはずして逃がしてやったことがあったのを思い出していました。たしかあの山猫は大きなおなかで孕んでいた。私が都へ行くことを知って、あの山猫は恩返しをするために道に倒れていたのに違いない。この石はあの猫の目なのだ。

その後、長春は都で幾多の大会を制し、その名を全国にとどろかせました。難局に対したとき懐に忍ばせた猫目石をなでると不思議と解決策が浮かんでくるのです。晩年には宮廷に招かれ皇帝の対局者として幸せに暮らしました。 めでたし めでたし
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by 892sun | 2007-11-11 15:42



この世の仕組み、本当の生き方はもう分かりましたか?地球は次元が変わります。準備は整っていますか?心霊研究家のつぶやきに耳を傾けてください。
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