ひとりごと、ぶつぶつ

2007年 11月 24日 ( 1 )

第32話 整形美人

女性の場合、すれ違った人が振りかえるくらいに、可愛くて美しく生まれたのであれば、そうでない人と較べたとき、明らかに何らかのプラスがあると思う。人生は生まれつき平等でないことは明らかである。ただ美しいというだけで男どもは蝶よ花よともてはやすのに、顔の造作のちょっとしたバランスの違いだけでまったく振り向いてもくれないことがある。

そこで近頃では美容整形外科というのが大繁盛することになる。一重瞼を二重にして目を大きく見せるような初歩的な整形から、鼻の形を変えたり、皺取り、皺伸ばし、頬の骨をけずったり、顎を尖らして見せたり、何でも出来るようである。あちこち直しているうちに自分の本当の元の顔とはまったく別物の顔になっていても不思議ではない。

橘 冴子は自分を決して不美人だとは思ってはいなかったが、以前から美意識は強く持っていたし、出来れば美しくなりたいとは女性として当然のように思っていた。しかし整形してまでもとは思っていなかったのだが、一度失恋してからは、その思いが次第に強くなっていった。それがきっかけになった。初めは、いわゆるプチ整形という目尻を伸ばして目をハッキリさせるような手術だったが、それでかなり変わったことで自信をつけると、どんどんエスカレートしていった。昔のアルバムに貼ってあった写真と現在の自分とは、まるで別人になってしまった。

不思議なもので、自分に自信がついてくると仕事もうまくいくのである。もともと力はあったのだから、美しくなることによって周りも盛り立ててくれる相乗作用が働くのである。美しいキャリアウーマンのサクセスストーリーにはマスコミまでもが群がって、あることないこと尾ひれをつけて話の種にしてしまう。その後も、冴子は美しく生きるためには金に糸目はつけずずっと整形手術を続けながら女王様のように楽しく暮らしましたとさ、ではこの話は終わらない。

いかに整形手術を使って歳相応に美しく生きても、人間いつかは使用した肉体の期限が切れる。冴子もまた、その人生に似つかわしい派手な葬式とともにあの世へ旅だった。

さて、心霊学を勉強された方々にはご存知の通り、あの世は思念の世界でありまして心模様がそのまま形になってオモテに現れてしまう、嘘の付けない世界なのです。それに、いくらかけたか分らないほどかけて整形した肉体は、元の世界に置いてきてしまって、いまここにあるのはアルバムに貼ってあった若かりし頃の整形前の昔の顔かたちです。

冴子は鏡を見ながらため息をついています。いくら丁寧にお化粧しても、ちょっと何か他の事に気をとられていると顔がまた元通りになってしまうのです。醜いというほどではないにしても自分の顔が嫌いだから整形を繰り返したのに、こちらの世界ではその顔で勝負しなければばなりません。ため息も出るというものです。崩れても崩れても化粧を直す冴子を、半ば呆れたような感心したような面持ちで見つめながら守護霊様が言いました。

「冴子さんや、ご苦労さんだが、こちらでは整形手術もお化粧も通用せぬのじゃよ。うわべだけの飾りを付けることは出来ませんのじゃ。もう分っているとは思うが、美しくなりたければ内面から美しくならなければオモテに美しさは表現出来ぬのじゃ。」

「そのようでございますねえ。ではどのようにしましたら内面を美しくすることが出来ましょうか、教えてくださいませ。どのような犠牲も厭いませぬ。」

「では、どのようなものを美しいと感じられますか?美しいと感じられるような行為を自分がなされればよろしいのです。心が打ち震えるような行為に身を捧げればよろしいのです。そうすれば自然と身も心も美しく変わっていくのです。」

「まだこちらに来て日も浅く、どうしたらそのような事と関わりあえますか分りません。」

「これからおいおい教えてまいりますが、こちらに来てからではなかなかそのような機会は少ないのです。実を申せばむしろあちらで人生を送っておられた時にこそチャンスが多くありました。人が生まれていく目的はいくつもありますが、一つには身も心も美しくなるためでもあるのです。残念ながら、あなた様は安易な方法でうわべだけを美しくされてしまって、それで満足されてしまったということです。まあ、よろしい。失敗は誰にもよくあることです。次の機会にはそのことを忘れないように致しましょう。」  おしまい

        ご感想をお待ちしています。
b0034892_1520590.jpg

秋色に染まる恋人たち5
by 892sun | 2007-11-24 15:20



この世の仕組み、本当の生き方はもう分かりましたか?地球は次元が変わります。準備は整っていますか?心霊研究家のつぶやきに耳を傾けてください。
以前の記事
2016年 12月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 11月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 11月
2014年 09月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
home page
ライフログ
その他のジャンル
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧